童貞が旅に出ない理由

最近新入生対策に、新しい口説き文句を必死で考えている童貞です。
今のところ「僕と夜の入学式でもしませんかッ!!!」というのが最有力候補です。
と言うか、入学させてください。ハアハア。
そんなことはともかく、久々に説教です。

皆さんもご存知の通り、22歳にもなるとですね、
女の子と付き合ったことのない人間なんて、
はっきり言って少数派になってしまうわけですわ。
どいつもこいつも口を開けば、彼女・彼女・彼女・アワビ・彼女・彼女・アワビ……。
何なんだ、お前らは!
あれか?新興宗教か何かか?
1日3回食前食後にアワビのある方角に向かってお祈りとか捧げるのか?
「クンニしたいクンニしたいワカメ酒飲みながらクンニとかしたい」
ってそんなことしてる奴いないって。俺以外。

それはともかくだな、
歳を重ねるごとに非童貞の童貞弾圧運動が進んでいるわけだよ、諸君。
「え?童貞なんて今どき本当に存在するの?(笑」
だの、
「彼女いたことない奴とかって、何を食べて育ってきたわけ?(笑」
だの、
「おいおい、みんな言い過ぎだって。存在しない奴のこと馬鹿にしても仕方ないだろ(笑」
だの、もうすっかり空想上の動物扱い。
えっと、童貞が世界に存在しないとしたら、僕はいったい誰なんですか?
僕は悪い夢でも見てるんですか?
で、例によってお約束の彼が「もっともだ、もっともだ」とか言い出すわけ。
あのな、今までの会話のどの辺が「もっとも」なんだよ?
お前本当に話を聞いて言ってるわけ?
それと、さらっとセリフのマイナーチェンジしてんじゃねーよ。
イケメンだからって何でも許されると思ったら大間違いだ!!

そんなわけで、非童貞どもが、
童貞には到底 着いていけない話題で盛り上がってしまっていたため、
俺はじっと身を潜めてこの話題が終わるのを待っていたわけだ。
まるでアメリカ軍の空襲を受けるバグダッド市民のように。
常に死と隣り合わせの心境。
直撃したら、多分漏らす。

が、だ。
そんな俺の心情を知ってか知らずか、隣のイケメンが俺に話しかけてきたりするわけ。
「そういえば、お前 最近どうなの?」
とか言って。
「どうなの?」じゃねえっつーの。
何が「どうなの?」なんだよ。
お前らは目的語とか知らないわけか?
だいたいな、俺がさっきから、
「あー」とか「うー」とかそういう単語しか口にしてないことで、
全てを察してくれよ。
俺は別にイクラちゃんじゃないんだよ。
日本語がわからないから擬音語しか出してないわけじゃないの。


そんな風に、俺が返答に窮して朝勃ちよりも かたく硬直していると、
追い打ちをかけるようにマモル君が、
「そういえば、コバヤシってずっと彼女いないよな。なんで つくんないの?」
とか言ってくるわけですわ。
えーとだな、何だろ、とりあえず君たちは大きな勘違いをしています。
俺はだな、彼女を「つくらない」のではなく、「つくれない」のですよ。
わかるかな、この微妙な違い?
つまりな、僕の家にコンドームがないのは、避妊しない派だからとかじゃないわけ。
むしろ してるの、避妊。絶対に失敗しない方法で。

だが、相手は非童貞。そんな程度の説明では納得しもしない。
「何か理由があるんだろ?」とか言って、執拗に俺を攻め立ててくるわけだ。
で、しまいには勝手に仮説を立て始める始末。

あのな、森崎。
俺に彼女がいないのは、宗教上の理由じゃないから。
そんな教義、守る気ないから。
それと、山下君。
俺はEDじゃないです。
勃つから。痛いくらい激しく勃つから。
バイアグラ売ってる店とか教えてくれなくていいから。

まあ、そんな非童貞たちによる俺への輪姦を何とか切り抜け、
その場はどうにか取り繕ったわけ。

そして、数日後、何事もなかったかのように学校に顔を出すと、何か雰囲気が違う。
俺が入ってきた瞬間、なぜか周囲に緊張が走ってるの。
女の子とか、遠巻きに俺のこと見ながら何か話し合ってるし、
男は目を逸らしたりするわけ。
え、何これ?
何なの、この 好きな子のリコーダーを舐めてるのがバレた小学生 を見るような視線は?
もしかして誰かの下着とかが なくなったわけ?
で、俺が疑われてるわけ?
食堂とかに呼び出されて、みんなの前で「犯人はお前だ!!」とか推理されちゃうわけ?
ひえーーーーー!!!俺じゃないッ!俺じゃないってばッ!!

そんなことを考えながら呆然と立ち尽くしていると、
意を決したように竹崎君が俺に近づいてくるわけ。
そうか、竹崎。お前が名探偵なわけか。
じっちゃんの名にかけて俺を下着泥棒にしたいわけか。
畜生!!こんなことなら本当に盗んでおけばよかった、吉岡さんの下着ッ!!

緊張した面持ちで にじりよって来る竹崎君。
そして彼は一言、
「今までコバヤシさんの気持ちに気付かなくてごめんなさい…でも俺、彼女いるんで…」
はい?
えっと、なんだろ?どうして僕はいきなり竹崎君にフラれてるの?
で、俺は正直に聞いたわけです。
「…え?何の話?」
そしたらなんかね、竹崎君が言うんです。

「え…だってコバヤシさんって、ハードゲイ(受け)で僕に惚れてるって マモルさんが…」

はい、マモル君。ちょっと来なさーい。
いやいや、犯さないから。そんなこと全然したくないから。
あのな、ちょっと聞いて欲しいことがあるんだ。
別に僕はゲイだから彼女がいないわけじゃないの。
彼氏がいるわけじゃないの。
俺がボブっていう外人のお兄さんと同棲してるって、そんな話 初耳だから。
って言うか、「ハード」ってなんだよ、「ハード」って!!

で、必死に弁解したにもかかわらず、誤解はいっこうに解けなかったわけで。
それ以来 女の子だけでなく、男も近寄ってこなくなりました。
「性の多様化」なんて所詮 建前だったみたいです。

そういったわけで、今回の童貞の主張は、
「僕の恋愛遍歴に、竹崎君を入れるのはやめてください」
ということです。
ご清聴ありがとうございました。


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